隠れ脂肪肝は痩せている人も下戸の人も要注意!脂肪肝はお酒好きだけの問題ではなかった!

      2022/09/09

こんにちは。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日は脂肪肝についてのお話をしてみたいと思います。

 

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脂肪肝ってなぁに?

「脂肪肝」と聞いたとき、皆さんはどんなものをイメージするでしょうか?

まずはお料理のフォアグラをイメージされる方も多いでしょうか。(ガチョウを不自然に太らせて、脂肪だらけにした肝臓をいただくのがフォアグラ。)

 

[レシピ]ポルチーニ茸とフォアグラの玄米リゾット

 

それでは、脂肪肝のある人と言えば、どんな人を思い浮かべるでしょうか?

私も、分子栄養学を学ぶ前まではこんな人を想像していました。

お酒大好きで、恰幅が良く、赤ら顔。わりと元気で、なんならお腹もちょっと出ていて、健康診断ではメタボリックを注意されるような男性

これは、皆さんがイメージする「脂肪肝のある人」の像ではないでしょうか?
「脂肪肝です」と言われても、あまり違和感がない感じ。

 

栄養カウンセラーになった今は、こんな人も思い浮かべるようになりました。

スイーツが好きな、痩せていて、あまり顔色の良くなく、いつもお疲れ気味。お酒はほとんど飲まず、お腹の調子がいつもイマイチな女性

健康に気を遣い、ダイエットもしているので、健康診断ではA判定だったりしているはず。
「脂肪肝です」と言われたら、「え?私が?」と驚かれるかもしれません。

 

実はこのどちらもが正解で、脂肪肝がある人の特徴なのです。

 

脂肪肝には2種類あり、アルコール性脂肪肝と、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)とあります。

最初に挙げた特徴がアルコール性脂肪肝の人で、後から挙げた特徴が非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の人というわけ。

 

前者のアルコール性脂肪肝は有名ですが、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)はあまり知られていないのが現状。

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は、「隠れ脂肪肝」と呼ばれたりもするように、見逃されがちなのが怖いところ。実は普通の健康診断ではほとんど指摘がされないので、分子栄養学に精通した医師が警鐘を鳴らすこともしばしばです。

 

両者は、一見すると真逆なように見えますが、肝臓で起こっていることは同じです。
具体的には、肝臓の脂肪が30%以上溜まる状態であると言われています。まさにフォアグラ。

アルコール性脂肪肝と同様に、見逃されがちな脂肪肝である非アルコール性脂肪肝(NAFLD)も放置は危険なので、対策が必要です。今日はそんな脂肪肝について、お話していきます。

 

自分は絶対違いそう!と思う、スリムな女性の方にこそ見ていただきたい内容になっています。
最近ちょっとお腹が出てきた旦那様のためにもなりますので、最後までお読みくださいね。

 

脂肪肝は血液データのどの項目からわかる?

まず、脂肪肝かどうかの判断は、血液データから知ることができます。
通常の健康診断でも検査する項目なので、年に一度の健康診断の結果が活用できるのも良いところ。

見方は簡単で、以下の2つの項目をチェックします。

  • AST
  • ALT

これらは肝機能を見る指標に分類されています。

ASTは心臓や肝臓や筋肉を、ALTは肝臓を見る項目です。

ASTやALTはトランスアミラーゼという酵素でできています。逸脱酵素とも呼ばれており、細胞が壊れるとこの酵素が血液中に出てくる(逸脱してくる)仕組みになっています。そのため、肝臓が悪くなれば逸脱酵素が出て、これらの数値が上がるというわけです。

逆に、この数値が低いときには逸脱酵素が少ないということになりますが、これも決して喜ばしいことではありません。というのも、少なすぎる逸脱酵素は肝機能の不活性を示しているから。

肝機能の不活性は、その材料となるたんぱく質やビタミンB群(主にB6)の不足を表しています。要は現代型栄養失調の指標と言っても過言ではないでしょうね。

 

では、脂肪肝と判断できるのは、ASTとALTがどんな数値のときでしょうか?
それが、こちら。

✔️ AST20
✔️ ALT20
✔️ ASTALT

ASTとALTが20より大きい場合や、ASTよりALTが大きい場合、脂肪肝があると見ることができます。

 

例えば、こんなデータの人はどうでしょうか?

AST(GOT) 67
ALT(GPT) 110

ASTもALTも20を大幅に超え、ASTよりもALTが大きいですね。
これは立派なアルコール性脂肪肝であることがわかります。

 

もう一つ、こんなデータの人はどうでしょうか?

AST(GOT) 13
ALT(GPT) 18

ASTもALTも20以下で、全体的に栄養不足。でも、ASTよりALTが大きいです。
この方は、非アルコール性脂肪肝。つまり、立派な隠れ脂肪肝であることがわかります。

ところが、この2つ目のデータの場合、通常の健康診断では全く指摘がされず、A判定が出るはず。
そのために、本人も脂肪肝であることに気付かないケースが多いのがネックというわけなのです。

 

※ただし、あくまで数値は目安です。血液データにはマスキングがかかっているケースも多いので、その点はご注意くださいね。私たち分子栄養カウンセラーは、数値だけで判断することはなく、必ず見た目や症状、食生活や生活習慣から濃縮や酵素不活性などのマスキングを勘案してデータを読み込んでいます。

 

脂肪肝で起こること

脂肪肝になると、どんなことが起こるでしょうか?
一般の方にわかりやすい言葉で書くと、こんな感じです。

  • 太りやすくなる
  • 疲れやすくなる
  • お腹が空くとフラフラする
  • 糖尿病
  • 解毒ができなくなる
  • お腹の調子が悪くなる
  • お腹の張りが強くなる
  • 花粉症やアトピーがひどくなる
  • 逆流性食道炎になる
  • 肝硬変や肝炎、肝臓がん

肝臓だけの問題のはずが、全身の問題にまで広がるという点がポイントです。

 

それでは、これらが起こる仕組みを分子栄養学的に具体的に説明してみます。

まず脂肪肝があると肝機能が低下し、糖新生が行えず、インスリン抵抗性も高まります。それにより2型糖尿病を併発するケースも多いです。エネルギー切れを起こしやすく、疲れやすくなることもあるでしょう。

脂肪肝により腸内環境も悪化するため、SIBOになりやすく、逆流性食道炎にも繋がります。胃酸の分泌や胆汁の分泌が悪いので、たんぱく質の吸収はもちろんのこと、油の消化吸収ができないため、粘膜免疫に必要な脂溶性ビタミンも当然ながら不足します。そうなると、免疫力の低下や、アレルギー反応が起こりやすくなることも忘れてはいけないところ。

脂肪肝は、一言で言えば肝臓の炎症。なので、腸内環境の悪化や炎症体質によってもアレルギー体質がひどくなります。さらに、肝機能の低下で解毒ができないので、悪循環が起こることも。

2型糖尿病だけでなく、肝硬変や肝炎、肝臓がんになることもあるため、早めの対策がマストです。

 

以上を分子栄養学の言葉でまとめると、こんな感じ。

  • 肝機能の低下
  • 低血糖
  • インスリン抵抗性が高まる
  • 2型糖尿病
  • 腸内細菌叢の破壊(腸内環境の悪化)
  • SIBO
  • 逆流性食道炎
  • 炎症体質
  • アレルギー体質
  • 免疫低下
  • 肝硬変、肝炎、肝臓がん

全身疾患につながっていることなので、放置は危険ということがわかっていただけるでしょうか。

 

こちらの記事もご参考になさってみてください。

👉「体の炎症」について栄養カウンセラーが徹底解説してみました!

👉「アレルギーの原因と対策」を分子栄養カウンセラーが徹底解説!

 

脂肪肝のメカニズム

脂肪肝は、余分な糖質や脂質が中性脂肪に変わり、その脂肪が肝臓に蓄積されることから起こります。

そのため、一般的にイメージされるような、お酒大好き!ラーメン大好き!揚げ物大好き!な人は脂肪肝になりやすい食習慣と言えます。最近太ってきたなぁとか、お腹が出てきたなぁというカロリー過剰な男性、脂肪肝があるかもしれませんので、注意しましょう。

また、侮れないのがスイーツ。お酒は飲まないけれども甘いものをよく食べる方にも同じことが起こります。下戸の甘党の方も脂肪肝には注意する必要があるので、ほどほどに。

 

一方、隠れ脂肪肝と呼ばれる非アルコール性脂肪肝は、お酒を全く飲まない方に多いです。
それも、女性の隠れ脂肪肝が増えていると言われています。

驚くべきことに、隠れ脂肪肝の女性の半数以上が痩せ型です。
その原因たるや、なんと!ダイエットなどによる栄養失調(飢餓状態)が脂肪肝を招いているというのが実情。

お酒も飲んでいないし、太ってもいない人が脂肪肝というところ、意外ではないでしょうか?

 

非アルコール性脂肪肝が栄養失調から起こる仕組みはこんな感じ👇

ダイエットによる栄養失調→体が飢餓状態→溜めていたエネルギーや脂肪を放出→代謝の低下→血液中に脂質が溢れる→肝臓に蓄積される

最後の2ステップ(血中の脂肪が肝臓に溜まるところ)はアルコール性脂肪肝と同じですが、その原料となる脂質の由来が、口からの摂取なのか、体が緊急事態に備えて溜めておいたものを切り崩して放出しているのかの違いがあります。

糖質制限やカロリー制限、ファスティングは、短期的には脂肪肝に効果的と言われていますが、長期的に見ると隠れ脂肪肝を招くので、何事もほどほどが大事ということがわかりますね。

 

まとめ

最後に、今回のまとめです。ぜひここだけ覚えて帰ってくださいね。

✔️ 脂肪肝にはアルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝(NAFLD)がある
✔️ 脂肪肝は血液検査データのASTとALTから判断できる
✔️ 脂肪肝は全身疾患に繋がるリスクあり
✔️ お酒、甘いもの、油は要注意(耳タコ)
✔️ 非アルコール性脂肪肝の女性の半数以上が痩せ型
✔️ 非アルコール性脂肪肝の原因はダイエット
✔️ 糖質制限やファスティングはほどほどに

 

脂肪肝の対策は、アルコール性脂肪肝であるか、非アルコール性脂肪肝(NAFLD)であるかによって変わってきますので、また別の機会にそれぞれ分けてお話してみたいと思います。

 

***

 

脂肪肝になってしまった原因は人それぞれなので、その人に合ったアプローチが効果的です。

個別カウンセリングでは、あなたの症状や血液データから、お悩みや状態に合わせてオーダーメイドで様々なご提案をさせていただきます。どんな健康法も、万人に合うものはありません。自分に合った健康法を知りたい方、自分の今の状態を知りたい方は、ぜひご相談くださいね。

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