リーキーガット症候群と効果的な対策7選

   

おはようございます。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日は、以前グルテンフリーの記事で書いたことがある、リーキーガットのお話です。

 

 

リーキーガットとは?

腸壁に穴が開いたり傷が付いたりして、本来取り込むべきではない有害な重金属やウイルスや菌、未消化の食べ物などが血液中にそのまま入り込んでしまう状態のことを「リーキーガット」と言います。

リーキー(leaky) =漏れている、ガット(gut)=腸と、そのまま直訳でわかりますが、日本語では「腸漏れ症候群」または「腸管壁浸漏症候群」と呼ぶこともあります。

要は、腸内環境の悪化が起こり、炎症体質になっている考えていただければ良いと思います。
そして、日本人の約70%はリーキーガットがあると言われています。これはびっくりですよね!

 

リーキーガットの問題点

腸壁に穴が開いていると、何が問題なのでしょうか。答えは簡単です。
通常であれば選別して吸収されるべきものが、選別されずにそのまま血液中に入ってしまうので、免疫システムを狂わせ、内臓に負担をかけ、体内の炎症を引き起こします。

未消化の食べ物も、腸内にあればただの食べ物ですが、血液中に入れば異物でしかありません。

リーキーガットになると、例えばこんな症状が出ます。

✔ 自己免疫疾患(アトピーや花粉症、ぜんそくや遅延型アレルギー、がん、etc.)
✔ 胃腸炎(過敏性腸症候群や下痢、便秘、腹痛や膨満感、etc.)
✔ 関節炎(リウマチや神経痛、筋肉痛、etc.)
✔ 慢性疲労(副腎疲労、etc.)
✔ アルツハイマー
✔ 気分障害(うつ、不安感、etc.)

挙げればキリがありませんが、あらゆる疾患に関わっていると言っても過言ではありません。

さらに悪いことに、高齢になればなるほど、腸内環境の悪化に対する自覚症状がなくなると言われています。そのため、中年以降の方では自覚症状がなく腸内環境が悪化している人が多く、何かの全身症状に出るまで気付かず、対策を取らないというケースに陥るのです。

 

リーキーガットが脳にも影響

さて、腸内環境の悪化(リーキーガット)がアルツハイマー病や鬱病の原因になるということから、ピンと来た方もいらっしゃるでしょうか。リーキーガットは脳にも影響を及ぼします。なぜならば、腸と脳は繋がっているので、腸の環境は脳の環境にも等しいから。(これを“腸脳相関”と言います。)

歯周病がアルツハイマーの原因になっているのが明らかなように、リーキーガットもまた同じように脳に作用していると言えます。

というのも、腸の選択透過を担っているタイトジャンクションを開かせるゾヌリンという物質は、脳にあるタイトジャンクションのような役割をしている血液脳関門も開かせることができます。ということは、腸と脳では同じ現象が起こっていると考えられるのですね。

つまりは、巷の健康本などで「腸内環境を良くしなさい」ということは的を得ているのです。なぜならば、腸内環境があらゆる慢性疾患の原因になっているから。

 

リーキーガット対策

さて、それではどんな対策が取れるのでしょうか?
自分が治療のどのステップにいるのか見極めることが大切ですが、特に難しい判断が要らずに実践できるのは以下の方法です。

  1. グルテンフリー・カゼインフリー・シュガーフリー・アルコールフリー・カフェインフリー
    5つのフリーを実践することで、腸内環境を荒らす原因を一時的に取り除きます。最低2週間は続ける必要があります。
    グルテンフリーに関しては、以下の記事で詳しく説明しています。
    レベル別♪グルテンフリー2週間チャレンジのススメ
  2. 『ま・ご・わ・や・さ・し・い』食
    こちらはマクロビオテックなどがお好きな自然派の方はよくご存知のお食事法で、以下のものをいただくように心がけます。

    ま:まめ(豆類)
    ご:ごま(ナッツや木の実)
    わ:わかめ(海藻類)
    や:野菜
    さ:魚
    し:椎茸(キノコ類)
    い:芋
    昔ながらの日本食をイメージしていただけると良いと思います。
  3. 水溶性食物繊維
    上の『ま・ご・わ・や・さ・し・い』食と重複しますが、水溶性食物繊維が鍵になります。
    水溶性食物繊維は腸内で酪酸菌などに変化し、吸収されます。これらの短鎖脂肪酸が腸の炎症を抑えて、腸壁を修復してくれるのです。
    なるべくホールフーズを食べることを心がけると良いでしょう。
  4. 発酵食品
    とにかく良い菌をたくさん入れることが大切なので、発酵食品も積極的に摂ると良いです。
    ぬか漬けやお味噌、キムチやピクルス、ザワークラウトなども良いですね。ヨーグルトはカゼインを含むので、カゼインフリー中は豆乳ヨーグルトを利用しましょう。
  5. 菌サプリ
    やはりサプリメントは有効です。ビフィズス菌や酪酸菌、ロイテリ菌など、いろいろな種類の良い菌をどんどん入れると良いです。
    酪酸菌のサプリメントと言えば、ミヤBM。薬局では「ミヤリサン」として売られています。

    強ミヤリサン 錠 330錠 [指定医薬部外品]
  6. ボーンブロススープやお出汁
    以前こちらの記事で詳しく書いています。
    ボーンブロスは万能なサプリメント
    おすすめのボーンブロスの活用法も併せてご紹介しています。
  7. 抗生物質や胃腸薬を使わない
    やはり大切なのは、お薬で腸内環境を荒らさないこと。
    抗生物質は腸内細菌叢を破壊しますし、胃酸抑制剤などは消化効率を落とすので、とにかく使わないのが鉄則。

 

他にも、ストレスコントロールや加工食品を避けること、規則正しい生活をするなど、いろいろあります。
また、この段階では何かを足すサプリメントは使わない方が良く、代わりに使えるアイテムがあるので、そのコツについてはまた改めてお話しすることにします。

 

それでは、また。

 

 

 

 - 分子栄養学と健康 , , ,