血液検査の結果から読む!続・糖質制限が向かない人
おはようございます。分子栄養カウンセラーのmanaです。
先日の記事で糖質制限ダイエットが向かない人についてお話しましたが、今日は具体的に、血液検査の数値を目安に出してみたいと思います。
糖質制限が向かない人の血液データ
糖質制限が向かないタイプ
前回お伝えした、糖質制限が向かない体の状態はこの5つでした。
- 副腎疲労がある
- 低血糖症がある
- 肝機能が低下している
- 筋肉が少ない
- 消化能力が低い
このうち、血液検査の数値からスクリーニングがしやすいのは2~5なので、今回はこの4項目のチェック方法をお伝えします。1の副腎疲労については、また別途お話することにします。
分子栄養学の血液検査データ解析
分子栄養学の花形とも言える血液検査の読み解き。
私もたくさんの方のデータを解析してきましたが、ここが一番面白いところでもあり、難しいところでもあります。
前提として、健康診断の血液検査結果と、分子栄養学での血液検査解析は大きく異なります。
まとめるとこんな感じ。
健康診断 | 分子栄養学 | |
①検査項目数 | 20種類程度 | 50種類程度 |
②基準値 | 検査会社の社員の平均値 | 生化学に基づく理想値 |
③マスキング | 考慮しない | 考慮する |
①そもそもの検査項目が、健康診断では20種類程度のところ、分子栄養学では50種類程度あり、さらには、有機酸検査やメチレーション検査なども活用します。
②さらに、分子栄養学での基準値は生化学に基づく値であるのに対し、健康診断の基準値は、検査会社の社員の平均値を利用しているケースがほとんど。「平均値だからOK」というのは、ちょっとおかしいと感じるのは私だけではないと思います。多くの人が栄養欠乏になっていることだってあるわけで、成績だって、平均点だから良いってありえませんよね。
健康診断ではA判定の方でも、分子栄養学で見ると黄色信号の方は多くいらっしゃいますし、その逆もあります。健康診断では引っかかった項目でも、分子栄養学で見ると非常に良い数値ということもあるのです。
③この分子栄養学的な診断はかなりテクニカルな部分なので、習得にはたくさんの勉強と訓練が必要です。というのも、様々な要因で数値がマスキングがされるから。マスキングされていないデータはほとんどないと思って良いです。
ベテランの先生になればなるほど、このマスキングを正しく考慮した診断ができ、数値には表れない問題をきちんと拾い上げることができます。この読みが鋭い先生は、血液検査のデータを見ただけでどんな人かを言い当てられるレベルなのです。女性か男性か、大体の年代や体格、性格や口癖、服装や髪型、お食事や行動パターン、ともすると家族関係までわかってしまう!この解析をライブで見ていると、思わずホーッと声が出てしまいます。
*これだけテクニックや経験を要する解析なので、素人の方が数字だけで判断するのは非常に難しいことではあるのですが、あくまで判断の目安として見ていただければと思います。
数字的には問題がなくても、それは単にマスキングで隠れているだけで、実際の数値はもっと悪いという可能性も大いにあるということを予め含みおきくださいね。
AST・ALT
ASTとALTはそれぞれ、心臓と肝臓のマーカーです。
通常の健康診断では低ければ低いほど良いように思われますが、分子栄養学では違います。低いのも大きな問題なのです。それぞれ20ぐらいが望ましく、この両者がほぼイコールなのが良いとされています。
20を切るようであれば糖質制限はおすすめできませんし、また、30を超えるようなケースも向かないです。また、ALT>ASTの場合にも、脂肪肝や肝炎の疑いがあり、肝機能の低下があるために糖新生はうまくできない可能性が高いです。
LDH
こちらは乳酸脱水素酵素で、糖新生がうまくできるかどうかの指標になります。
180前後が目安で、低いとその酵素活性が低いと判断され、糖新生が苦手なタイプとわかります。
BS
空腹時の血糖値を示すマーカーで、70以下の場合、低血糖症があると考えられます。
中性脂肪(TG)
こちらは脂質代謝の目安で、100程度あれば安心。低い場合には低血糖があるので糖質制限には向かないです。
ペプシノーゲンⅠ
胃酸の分泌を間接的に見る項目で、70ぐらいが理想。糖質制限をするならば、50以上は欲しいところ。
まとめ
糖質制限をやるなら、
✔ AST=ALT=20
✔ LDH=180
✔ BS=100
✔ TG=100
✔ ペプシノーゲンⅠ≧50
こんな感じの数値であれば問題なくできる可能性が高いです。
これに当てはまらなくても、マスキングを考慮したり、その他の栄養状態に応じて、糖質制限ができるケースもあります。その人に合わせた糖質制限や食事法は、個別カウンセリングよりご相談くださいね。
それでは、また。