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YouTuberのきまぐれクックさんに分子栄養カウンセラーがアドバイスしてみました!

こんにちは。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日は久しぶりに分子栄養学のお話で、公開カウンセリングをやってみます。

 

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分子栄養学の花形とも言える、血液検査データの分析。
一般の方からするとただの数字かもしれませんが、私たち栄養カウンセラーは、血液検査のデータを見れば、その方の栄養状態やメンタルの状態、エネルギー代謝など、あらゆることがわかります。

ベテランの先生になると、体の状態はもちろんのこと、思考の癖や親との関係、服装や髪型、家の中の様子まで深読みして、ピタリと言い当てることができたりします。

何を隠そう、私もこのデータ分析が一番面白いと感じています。これができるようになりたくて今の学会に入ったと言っても過言ではなく、今でも分子栄養学の中でも大好きな分野の一つです。

私自身、もっとたくさんの症例に触れて、より多くのことを読み取れるようになりたいと思っていますが、その一方で、一般の方にもデータの読み方の基礎を知っていただきたいとも感じています。

 

年に一度の健康診断や自分で受ける人間ドックでは、必ず血液検査をすることと思います。
ところが、せっかく受けても、レーティングの部分を見ておしまいだったり、基準値と見比べて「ふーん」で終わってしまったり、それらの結果を生かしていない方がほとんどで、それが非常に残念に感じられる今日この頃。

これらの結果は情報の宝庫で、自分の健康に繋げられるヒントがたくさん詰まっているのです。

 

そこで今回、とある有名YouTuberさんの公開カウンセリングをやってみたいと思います。

医師法により、医師ではない私が血液検査のデータから「診断」をすることはできないため、データはあくまで参考という位置付けです。また、数値を根拠に説明をすることはできませんが、読んで分子栄養学に興味を持っていただけるよう、状態や対策について具体的に書いていきたいと思います。

分子栄養学のベースの知識がないと、全てを完璧に理解するのは難しいかもしれませんが、「自分の症状からこんな改善点がわかるんだ!」というところを拾っていただければ幸いです。

 

ぜひ皆さんも、ご自身の健康診断や人間ドックの結果をお手元にご用意して、見比べてみてくださいね。

 

きまぐれクックさんって?

今回は、YouTuberのきまぐれクックさんの動画から、アドバイスをしてみたいと思います。

きまぐれクックさんは、カードとかフィギュアとか(この分野には明るくなくてごめんなさい・・・)のコレクターで、ホビー系?動画をアップされている、この界隈で有名な方です。

ところがそのホビー系のチャンネルはあくまでサブで、メインはお料理とのこと。お魚をとても手際良く捌いて、お料理される動画を出されているのだそうです。(私もいつか見てみようと思いつつ、YouTubeを見る習慣がなくてまだ拝見できていないです。)

きまぐれクックのサボり場

主人がきまぐれクックさんのサブチャンネルが好きでときどきチェックしており、それで知りました。

私もチラッと拝見したことがありますが、きまぐれクックさんの緻密で丁寧なコレクターぶりは、カードやフィギュアに興味がない私でも、すごいなぁとわかるマニアックな感じで、見ていてなかなか楽しかったりします。

 

データ分析をしてみようと思ったきっかけ

そんな折、私が好きだろうと主人がある一つの動画を見せてくれました。それがこちら。

きまぐれクックさんが人間ドックの結果を公開している動画。

分子栄養学界隈の方なら、これを見ると興奮してしまうこと間違いなしのデータです。
ハイレベルな個人情報なので、普通はパブリックでなかなか見ることができませんが、さすがはYouTuberの方、太っ腹に全公開してくださっています。

動画中で、「こういうの詳しい人いたら教えてほしい」「意見ください」とおっしゃっていたので、せっかくならアドバイスしてみようと思った次第です。もしきまぐれクックさんが、今後こちらの動画を取り下げることがあれば、この記事も非公開に変更させていただこうと思っています。

 

ここまで書いておきながら、実はきまぐれクックさんのYouTubeはほとんど見たことがなく、普段の食生活や生活習慣について全く知らない私。せっかくなので、この動画で話されていた情報からアドバイスをしてみます。

実際のカウンセリングではないので、どうしても推測が多くなってしまうことと、ご本人が実践できる範囲との擦り合わせができないので、無理なことばかりになることもありそうですが・・・。

もしきまぐれクックさんのお友達の方がいらっしゃいましたら、ぜひ落とし所を探してみていただければ嬉しいです。

 

お悩みと血液検査データ

まずは、動画に出ていたデータを下にまとめてみました。
お話の中でおっしゃっていた症状やお悩みなどを箇条書きでピックアップしています。

主訴や生活習慣から、生活やお食事のアドバイスをさせていただきます。

 

[主訴・生活習慣]

  • 脂肪肝
  • 逆流性食道炎
  • げっぷ
  • 辛い物への渇望
  • ジャンクフード
  • アレルギー
  • アナフィラキシーの経験
  • お魚とお酒ばかり食べている
  • お酒を飲み出したら止まらない
  • 体重の増加
  • ペプシノーゲン判定✖️
  • 糖代謝✖️
  • 白血球分画◎
  • 甲状腺機能◎

 

[血液検査データ]

白血球数 7600
赤血球数 541
血色素量(ヘモグロビン) 16.2
ヘマトクリット 50.1
MCV 92.6
MCH 29.9
MCHC 32.3
血小板 24.1
白血球像 好中球:54.5
リンパ球:35.5
単球:5.7
好酸球:3.8
好塩基球:0.5
総蛋白 7.1
アルブミン 4.8
A/G比 2.1
総ビリルビン 0.6
AST(GOT) 60
ALT(GPT) 112
γ-GT 90
尿素窒素(BUN) 9.9
ALP 66
LD 210
中性脂肪 113
LDLコレステロール 128
HDLコレステロール 41
総コレステロール 198
ナトリウム 140
カリウム 4.3
クロール 104
カルシウム 9.4
139
尿酸 5.8
クレアチニン 0.74
空腹時血糖 110
HbA1c 6.5
TSH 0.74
FT3 4.2
FT4 1.56
ペプシノーゲンⅠ 40.4
ペプシノーゲンⅡ 6.5
ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ 6.2
ピロリ抗体 (−)

 

[基本情報]

性別 男性
身長 177.6
体重 76.1
BMI 24.1
体脂肪率 26.7

 

[アレルギー検査]

ハウスダウト・ヤケヒョウダニ・スギ・ヒノキ・カモガヤ・オオアワガエリ・ブタクサ・ヨモギ・アルテルナリア・カンジダ・ガ・小麦・ピーナッツ・バナナ・サバ

 

 

分子栄養カウンセラーの分析

全てのデータを拝見し、症状から推測するとこんな感じです。

[コメント]

脂肪肝やアレルギー症状の強さから、体の炎症が強く、腸内環境の悪化もあり、アレルギー体質になっていることが推測できます。
脂肪肝は早めの対策が吉。アルコール摂取については頻度や量などを見直す必要があります。肝機能の低下はインスリン抵抗性を招き、2型糖尿病への移行も注意が必要と言われています。また、炎症体質については上咽頭からもアプローチすると早そうです。

逆流性食道炎とのことなので、胃酸の分泌や胆汁の分泌が悪く、消化吸収がきちんとできていないことが推測されます。逆流性食道炎の場合、SIBOにも注意しましょう。

消化吸収ができていないと、ミネラル不足やたんぱく質不足も気になるところです。ただし消化能力が高くないので、プロテインなどは使わず、お出汁やボーンブロスなどのアミノ酸を活用し、まずは底上げを図りましょう。栄養を意識したお食事はもちろん、消化酵素などのサプリメントを活用するのも一案です。

辛い物への渇望はストレスが原因と言われています。ストレス源がわかれば、それを軽減させるのも一つです。
お酒が止められないことは、低血糖によるものもありますので、血糖コントロールが鍵に。一緒に食べるおつまみを工夫したり、解毒に努めるという発想もあります。

甲状腺機能や自律神経のバランスは問題ないとのことで、心の問題は恐らくなさそう(=自分らしい人生・生活を送れている)であることが推測できます。これがまず一番大事なことなので、素晴らしいです。心の問題がないと、体や栄養にフォーカスするだけで大きな改善が見込めると思います。

 

それでは、ポイントを5つ、解説していきます。

1. 脂肪肝

今回の検診結果で、一番のポイント(お悩み)は脂肪肝でしたね。(「しぼうかん」と読みます。)
お酒をたくさん飲まれるとのことで、アルコール性脂肪肝と推測できます。

脂肪肝から肝硬変や肝炎、肝臓がんになることもあるため、放置は危険。早めに対策してください。
脂肪肝があると肝機能が低下し、糖新生が行えず、インスリン抵抗性も高まります。それにより2型糖尿病を併発するケースも多いため、改善が必要です。

また、脂肪肝により腸内環境も悪化するため、SIBOになりやすかったり、主訴の逆流性食道炎にも繋がっています。

 

2. 炎症

脂肪肝とアレルギーがあれば、体の炎症が強いことが推測できます。
体のどこかに炎症があると、反応性の免疫物質や炎症物質が体内を巡るため、炎症が全身に飛び火する仕組みになっています。そのために、全身の炎症=炎症体質=アレルギーになっていると考えられます。摂る油の質には注意をして、悪い油の摂取はなるべく避けることをおすすめします。

また、肝臓以外に、胃腸や上咽頭にも炎症がありそうです。まずはこれらの治療を優先し、余裕ができたら、歯の炎症がないかどうかもチェックしてみると良いかもしれません。

参考記事はこちら。

👉「体の炎症」について栄養カウンセラーが徹底解説してみました!

 

3. 消化吸収能力の低下

逆流性食道炎という症状から、胃酸の分泌や胆汁の分泌が悪く、消化吸収がきちんとできていない様子が伺えます。ここをケアすることで、一番のお悩みである逆流性食道炎も改善が見られるのではないかと思います。

多くの方はたんぱく質の摂取量そのものが足りていないことが多いですが、もし足りていても、胃酸や胆汁の分泌が悪いと、たんぱく質を摂っても消化吸収ができないということが起こります。

かと言って、ここでプロテインを入れたり、お肉を頑張って食べるのはNG。ボーンブロスやお魚のあら汁、お出汁などを活用し、腸粘膜の修復を助けるところから始めましょう。消化酵素やグルタミンを利用されるのもアリです。

普段からお魚を召し上がっているとのことなので、まずは量が足りているかの見直しと共に、消化吸収を上げる工夫をしてみると良さそう。大根おろしを添えたり、柑橘を絞ったり、梅干しを使うのも効果的。飲むお酢なんかも利用すると良いでしょう。また、油物の消化が苦手なので、MCTオイルの利用も検討してみてください。

ボーンブロスについてはこちら。

👉ボーンブロスは万能なサプリメント

MCTオイルについてはこちら。

👉中鎖脂肪酸って最強?!

👉分子栄養カウンセラーが選ぶ!楽天・Amazon・iHerbで買えるMCTオイル

たんぱく質についてはこちら。

👉たんぱく質、足りていますか?

腸内環境の自己チェックについてはこちら。

👉腸内環境の簡単自己チェック方法

グルタミンについてはこちら。

👉グルタミンを活用しよう!グルタミン大全

 

4. アレルギー体質

炎症のところからの繰り返しになりますが、肝臓の炎症が全身に飛び火して、炎症体質になっていると考えられます。アレルギーを治すには、まずは肝臓や胃腸の炎症をなくすところが最初です。

また、胃酸の分泌や胆汁の分泌が悪いと油の消化吸収ができないため、粘膜免疫に必要な脂溶性ビタミンも当然ながら不足します。例えば、ビタミンDやビタミンA、亜鉛、等。意識的に摂ってみるように心がけると良さそうです。

アレルギーについては、こちらの記事も参考にしてみてください。

👉「アレルギーの原因と対策」を分子栄養カウンセラーが徹底解説!

 

5. 逆流性食道炎

人間ドックを受けるきっかけにもなった、一番のお悩みの逆流性食道炎。
こちらは、SIBOが原因になっているケースが多いと言われています。

SIBOはちょっと聞き慣れない言葉かもしれませんが、小腸内細菌異常増殖症のこと。簡単に言うと、大腸にいるはずの腸内細菌が小腸でたくさん増えてしまった状態です。

症状としては、お腹の張りや下痢、胸焼けや腹痛、げっぷや空気や胃酸が上がってきたりと様々ですが、逆流性食道炎の原因になっていることが多いため、逆流性食道炎があればSIBOも疑うと良いでしょう。SIBOかどうかの診断と治療は病院でできますので、ぜひ病院にかかってみてください。

実はこのSIBO、一般的な腸内環境改善のためのお食事をするとひどくなるケースがあります。
というのも、食物繊維や発酵食品が、かえって小腸の腸内細菌をより増やす結果となるから、です。

治療にあたっては、一時的にFODMAP食と言われるお食事を実践されると良いのですが、厳密にやろうとすると正直かなり大変。お家でできることとして、一般的な腸内環境改善食と共通しているところを試されてみると良いと思います。

例えば、こんなこと👇

これらは一般的な腸内環境改善食と共通していますので、ぜひ試してみてください。

まずは、発酵食品を摂るとお腹が張ったり、逆流性食道炎の症状がひどく出るということがあるかどうか、注意して観察してみることをおすすめします。ヨーグルトや糠漬け、キムチや納豆などを食べた後の自分の体の状態を見て、症状があればSIBOかな?と思ってみてください。

 

 

以上、5つのポイントの解説でした。

 

 

参考になった血液データの項目を赤字に変えてみました。

白血球数 7600
赤血球数 541
血色素量(ヘモグロビン) 16.2
ヘマトクリット 50.1
MCV 92.6
MCH 29.9
MCHC 32.3
血小板 24.1
白血球像 好中球:54.5
リンパ球:35.5
単球:5.7
好酸球:3.8
好塩基球:0.5
総蛋白 7.1
アルブミン 4.8
A/G比 2.1
総ビリルビン 0.6
AST(GOT) 60
ALT(GPT) 112
γ-GT 90
尿素窒素(BUN) 9.9
ALP 66
LD 210
中性脂肪 113
LDLコレステロール 128
HDLコレステロール 41
総コレステロール 198
ナトリウム 140
カリウム 4.3
クロール 104
カルシウム 9.4
139
尿酸 5.8
クレアチニン 0.74
空腹時血糖 110
HbA1c 6.5
TSH 0.74
FT3 4.2
FT4 1.56
ペプシノーゲンⅠ 40.4
ペプシノーゲンⅡ 6.5
ペプシノーゲンⅠ/Ⅱ 6.2
ピロリ抗体 (−)

私のクライアントさんには副腎疲労や甲状腺機能低下症の方が多く、普段のカウンセリングではこういうデータはあまりお目にかかることがありませんが、お酒好きな男性にはあるあるなデータではあります。

読むにあたっての大前提として、脱水による濃縮が起こっているので、データにマスキングがかかり、実際よりも“数値上が良く見える”ことが多いということ。数字だけで判断せずに、そういったことも頭に入れておく必要があります。

血液検査の読み方は、個別の症例ではなく、一般的な話としていずれご紹介することにします。

 

分子栄養カウンセラーからのアドバイス

さて、それでは最後に、“きまぐれクックさんが私のクライアントさんだったらどうアドバイスするか?”という観点でお話してみます。

問診でもっといろいろ詳しく伺いたいところですが、とりあえず動画の中の範囲から、分子栄養カウンセラーから見て「こうしたらもっと健康になれる」というところを挙げてみます。

なるべく実践しやすい形に落とし込んでみたので、似たようなお悩みがある方はご参考になさってくださいね。

 

[生活全般]

 

[食事や栄養]

サプリメントについては、日々のお食事を伺うことが前提になるため、こういった血液検査データの方に不足している栄養素や、摂ると改善が見られた栄養素を一般的な例として挙げています。

ただし、今は体の炎症が強いため、サプリメントの導入タイミングは慎重に。
ご興味があれば、分子栄養学に精通した医師やカウンセラーにご相談いただくことをおすすめします。

 

まとめ

今回は、きまぐれクックさんに分子栄養学に基づくアドバイスをさせていただきました。

肝臓は「沈黙の臓器」とも言われており、なかなか症状で気付けないのが怖いところ。また、逆流性食道炎もSIBOから来ることが多く、早めの対応がキーとなってきます。

ぜひ、今回の結果を活かして、改善に繋げていただければと思います。

メンタルの部分のテコ入れが不要なので、生活改善と栄養改善をするだけで、体調もクオリティオブライフもグッと良くなること請け合いです。お料理が上手で、特にお魚料理が得意であれば、栄養療法を行うのにも大きなアドバンテージになります。

もっと元気になって、好きなことに打ち込んで、楽しい動画をアップしていただければ嬉しいです。

 

 

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