おはようございます。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日はグルテンフリーについてのお話をしてみたいと思います。
グルテンフリーとは?
グルテンフリーは、小麦製品が使われていない食材を食べる食事法で、それ以外の制限は一切ありません。ざっくりと、グルテン(=小麦)を避けるという理解で大丈夫です。
グルテンフリーと言えば、テニスのジョコビッジ選手が、セリアック病の治療のために実践された食事法ということで有名でしょうか。一見すると、小麦アレルギー(グルテン不耐症)ではない人には関係がなさそうな感じなのですが、小麦は、小麦アレルギーではない人にも大きな害があるのです。
というのも、リーキーガットを引き起こす原因が、小麦に含まれるグルテンだから。グルテンフリーをすることは、リーキーガットの原因を断つことに繋がります。
リーキーガットとは?
専門的な説明は省きますが、リーキーガットについて簡単に書いてみます。
グルテンに含まれるたんぱく質であるグリアジンが、腸にくっつくことでゾヌリンを増やします。そのゾヌリンが腸のタイトジャンクションを開かせてしまうのです。
タイトジャンクションとは、簡単に言うと細胞と細胞をくっつけているもので、腸の選択透過を担っています。そこがずっと開いた状態になってしまうと、腸に穴が開いた状態になり、本来取り込むべきではない有害な重金属やウイルスや菌、食べ物などが血液中にそのまま入り込んでしまうことになります。
通常であれば選別して吸収されるべきものが、そのまま血液中に入ってしまうので、免疫システムを狂わせ、内臓に負担をかけ、体内の炎症を引き起こすことになるのです。
この腸のタイトジャンクションが開いた状態を「リーキーガット」と呼びます。
リーキー(leaky) =漏れている、ガット(gut)=腸と、そのまま直訳でわかりますが、日本語では「腸漏れ症候群」と呼ぶこともあります。
グルテンを摂れば、小麦アレルギーの有無に関わらずタイトジャンクションは開きますし、リーキーガットも起こるので、グルテンフリーを実践することは、誰にでもメリットのあることと言えるのです。
リーキーガットが脳にも影響
これはちょっと上級編なのですが、大まかに言って、腸と脳は繋がっているので、腸の環境は脳の環境にも等しいと言われています。(“腸脳相関”と言います。)
というのも、腸のタイトジャンクションを開かせるゾヌリンは、脳にあるタイトジャンクションのような役割をしている血液脳関門も開かせることができるのです。ということは、腸と脳では同じ現象が起こっているのですね。
巷の健康本で「腸内環境を良くしなさい」と言われるのは理にかなっていて、それは、腸が脳にも関わってくるところだからなのです。
リーキーガット以外の小麦の害
小麦の害については、リーキーガット以外にもあります。
主には以下の2つです。
- 長い歴史をかけて品種改良を繰り返しているミュータント小麦の害
- 輸入小麦のポストハーベストの害
ミュータント小麦問題
まず1つ目についてですが、緑の革命で品種改良がされた小麦は「ミュータント小麦」と呼ばれ、今私たちが食べている小麦のほとんどがこれに当たります。
今のような遺伝子組み換えとは違いますが、品種改良によってグルテンの質や量が変化しており、遺伝子も変化しているのだそう。お米も古代種の方がアレルギーが起きにくいですが、それは小麦も一緒ですね。
ポストハーベスト問題
2つ目の輸入小麦の問題は、他の輸入作物にも共通して言えることで、ポストハーベストと呼ばれる収穫後に薬剤の使用により輸送中の腐敗を防いでいることにあります。
小麦という作物を育てるの自体にもたくさんの農薬が使われているのに、さらにその上、製粉後にも輸出のため農薬をかけているのは、クレイジーとも言えます。
小麦は国内自給率が低く、国産小麦の流通は1割程度。つまり残りの9割は海外産小麦ということです。小麦粉製品のほとんどが海外産小麦を使っているというわけ。
小麦アレルギーと言われている人の一部は、小麦そのものではなく、これらの農薬や変異した遺伝子に反応しているのではないかとも言われています。
そういったケースだと、古代小麦や国産有機小麦を使うことでアレルゲンが回避できるため、小麦アレルギーの方でも小麦が食べられる場合もありますし、古代小麦に切り替えるだけで症状が緩和する場合もあるのです。
グルテンが含まれる食べ物
- パン
- おうどん
- お蕎麦(十割蕎麦以外)
- ラーメン
- パスタ
- お麩
- お好み焼きやたこ焼きなどの粉モノ
- 天ぷらやとんかつなどの揚げ物
- カレーやシチュー
- ホットケーキやスコーン、クレープ
- クッキーやフィナンシェなどの焼菓子
- ショートケーキやチョコレートケーキなどの生菓子
- ビール、など。
※それ以外に、お醤油やブイヨン、麦味噌や米飴、穀物酢などの調味料にも含まれていますし、じゃがいものスナックの成形やつなぎに、スープやおソースのとろみ付けにも使われていることがあります。
※小麦粉を使わない米粉パンなどにも、グルテンだけが使われているケースもあります。また、市販のルウや○○の素などにも入っていることが多いです。
※市販品は原材料をチェックすることが欠かせません。厳密にグルテンフリーをされる場合には自炊が一番安心ですね。
グルテンフリーチャレンジの体感
これは人によって感じ方が違うので、あくまで私の感じたことをベースにまとめました。家族や周りの友人、クライアントの方の感想も含めました。
グルテンフリーをすると・・・
- 体のだるさが軽減される
- 体が軽くなる
- 頭が冴える(判断力が上がる、記憶力が上がる)
- 感覚が鋭くなる
- お肌の調子が良い
- 朝の目覚めが良い
- とにかく体調が良い
- ボーッとすることがなくなった
- メンタルの浮き沈みがなくなった
そして、上記のグルテンを摂らないときよりも、グルテンフリー後にグルテンを摂ったときの体感の方がわかりやすい方が多いです。
グルテンフリー後にグルテンを摂ると・・・
- 体がだるくなる
- 体が重くなる
- 過眠気味になる
- 寝ても疲れが取れない
- 頭がスッキリしない
- 肌荒れする
- むくみやすくなる
- 頭にモヤがかかったようになる
- もっとグルテンが食べたくなる
- 気分が不安定になる
グルテンを抜いた状態でグルテンを再び入れると、状態の変化に気付きやすいようです。
2週間のグルテンフリーチャレンジ
まずは2週間、グルテンフリーにチャレンジしてみませんか?
ご自身の気合や症状レベルに応じて3段階用意しましたので、ぜひ挑戦してみてください。
これは2週間続けることにポイントがあるので、この間はお付き合いの外食を避けると続けやすいです。ご自身でお店を選ぶことができる場合は、和食を選ぶのがおすすめ。焼肉や焼鳥、鉄板焼きなども良いですね。
2週間とは言いますが、もちろん、体感が良ければもっと続けていただいても良いですし、我慢するのに疲れたら、思い切って止めるのもアリ。そんな気楽な気持ちでまずはやってみましょう。止めるのは簡単ですから。
ビギナーコース
ルールは簡単シンプルで、以下の5種類を避けるだけ。
✖ パン(ピザも含む)
✖ 粉モノ
✖ 麺類
✖ 洋菓子
✖ ビール
自炊をされない方にも簡単にできる、グルテンの多いものを“避ける”方法。
パンや麺類の代わりにご飯やおにぎりを食べたり、洋菓子の代わりに和菓子を選ぶと続けやすいです。
アドバンストコース
ビギナーコースよりも厳密に、グルテンを含む食べ物を避けてみましょう。
✖ パン(ピザも含む)
✖ 粉モノ
✖ 麺類
✖ 点心
✖ 揚げ物
✖ 市販のカレーやシチューなどの煮込み料理
✖ ハンバーグや肉団子などのつなぎを使う料理
✖ 洋菓子全般
✖ お麩製品
✖ スナック菓子
✖ ビール
可能であれば、調味料もグルテンフリーのものにすると、より効果が出やすいです。
ただし個人的には、健康を目的としたグルテンフリーチャレンジならば、お醤油などの調味料に含まれる少量のグルテンは気にしなくても良いと思っています。というのも、実践のしやすさや継続のしやすさも大事だから。
プロフェッショナルコース
これはかなりレベルが高くなりますが、アドバンストコースに加えて、以下のものも止めてみると一気に体が変わります。
✖ カゼイン
✖ シュガー
✖ アルコール
✖ カフェイン
✖ トランス脂肪酸
✖ 化学調味料・保存料・着色料
これらを避けながら、良質な脂質やたんぱく質、お野菜や発酵食品をいただくと効果的です。なかなか外食では難しいので、自炊をされる方におすすめです。
まとめ
グルテンを避けることで、以下の害を避けることができることをご説明しました。
✔ リーキーガット
✔ ブレインフォグ
✔ ミュータント小麦
✔ ポストハーベスト
また、グルテンを意識することで、食材を買うときに原材料をチェックする習慣も付くので、食べ物を選ぶことへの意識が高まるというメリットも。
最終的には、“何を食べても元気な身体”になることが目標ですが、その過程では、自分のどこに炎症があって、何が原因になっているのかを見つけることも大切になってきます。
グルテンフリーは制限が大きい食事法ですが、やってみると案外続けられると感じます。
制限を制限と思わずに、楽しく美味しく続けるのがポイント。体感は実験感覚、グルテンフリー食材を見つけるのはゲーム感覚で、ご家族や仲間と一緒に楽しむのもおすすめです。
グルテンフリーでも、工夫すればパーティメニューも作れます。
主人のバースデーパーティ♡過去の旅へのオマージュで、グルテンフリーなヘルシーディナー♡
我が家のグルテンフリーのおうちごはんには、こちらのタグを付けています。
献立の参考によろしければご覧になってみてくださいね。
おすすめのグルテンフリー商品は、次回の記事でご紹介していきたいと思います。
自然派カウンセラー愛用♪グルテンフリー製品 〜カレールウ編〜
自然派カウンセラー愛用♪グルテンフリー製品 〜スパゲッティ編〜
それでは、また。