こんにちは。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日は旬のお野菜、銀杏についてのお話をしてみたいと思います。
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今が旬の銀杏。スーパーでも売られているのを目にすることが増えてきましたね。
銀杏並木の下を歩くとき、銀杏を踏まないように注意する、そんな季節でしょうか。
今日はそんな銀杏にまつわる、分子栄養学のお話です。
銀杏には中毒作用あり
銀杏は、ご存じの通り銀杏の種子で、その種の中の仁と呼ばれる部分をいただきます。
栄養価としては、糖質や脂質、ビタミンやミネラルを豊富に含み、特にカリウムが豊富です。
中国ではパワーが付く食べ物と言われており、漢方薬としても用いられているほど。夏の疲れが出るこの季節にいただくのは、理に適っているのですね。
ところがこの銀杏には、中毒作用があると言われています。
その名も、「メチルピリドキシン」。ビタミンB6の吸収を妨げる物質が含まれているのです。
そのメカニズムとしては、メチルピリドキシンがビタミンB6と似た構造をしているために、ビタミンB6の作用を阻害し、欠乏症を引き起こすという仕組みだと言われています。このメチルピリドキシンは加熱しても壊れないので、食べ方でどうにかなる問題ではありません。
中毒を起こすと、痙攣や呼吸困難、嘔吐や下痢などが起こり、命の危険もあるものです。
一般的には、お子さんの場合は5〜6粒でも注意が必要ですが、大人は大量に食べなければ大丈夫だと言われています。というのも、大人には肝臓での解毒機能があるから。
とは言え肝臓のスペックは人それぞれ。肝機能低下の方もビタミンB6欠乏の方もいます。
ここでは、ビタミンB6欠乏にフォーカスして、銀杏に注意すべき人を浮き彫りにしてみましょう。
ビタミンB6が不足しているパターン
では、ビタミンB6が不足しているかどうか、どうやってわかるでしょうか?
実は血液検査のデータで簡単に知ることができます。
それがこれらの項目です👇
AST |
ALT |
どちらも一般の健康診断でも検査される項目なので、多くの方がご自身の数値を測ったことがあると思います。(年に一度の健康診断の結果、ぜひ探してみてください。)
ASTとALTがどんな値のときにビタミンB6欠乏が示唆されるかと言えば、こちら👇
- AST<20
- ALT<20
- AST-ALT≧2
ASTとALTが20未満のときと、ASTがALTより2以上大きいとき、です。
ASTとALTについては、脂肪肝のところで解説したことがありますが、おさらいしましょう。
ASTとALTは肝機能を見る指標で、ASTは心臓や肝臓や筋肉を、ALTは肝臓を表します。
ASTやALTはトランスアミラーゼという酵素でできています。
逸脱酵素とも呼ばれており、細胞が壊れるとこの酵素が血液中に逸脱してくる仕組みになっています。そのため、肝臓が悪くなれば逸脱酵素が出てこれらの数値が上がるので、数値が高い場合は、脂肪肝などの肝臓の炎症があると考えられます。
逆に、この数値が低いときには逸脱酵素が少ないということになりますが、これも決して喜ばしいことではありません。というのも、少なすぎる逸脱酵素は肝機能の不活性を示しているから。
肝機能の不活性は、その材料となるたんぱく質やビタミンB群(主にB6)の不足を表しており、要は現代型栄養失調の指標と言っても過言ではありません。
復習される方は、こちらの記事をどうぞ。
隠れ脂肪肝は痩せている人も下戸の人も要注意!脂肪肝はお酒好きだけの問題ではなかった!
低すぎるASTとALTは肝機能の不活性、つまり栄養不足を示しているのでしたね。
特に、ASTとALTの差があるときには、ビタミンB群の代謝不足が起きており、中でもビタミンB6が欠乏していることがわかります。
まずビタミンB6は、ASTやALTの補酵素としての働きやたんぱく質を代謝する働きがあります。
その他にも、ヒスチジンをヒスタミンに変えたり、トリプトファンをキノリン酸に変えたり、身近なところでは、GABAやセロトニン、ドーパミンの生成にも関わっていますので、ビタミンB6が不足すると、様々な不具合が起きてくることがわかります。
これを突き詰めると、ちゃんとお食事ができているか?いつも緊張していないか?睡眠がきちんと取れているか?お肉を食べると胃もたれするかも?なんてことまで、私たち分子栄養カウンセラーは想像できてしまうのです。
さて、話を銀杏に戻しましょう。
こういうビタミンB6不足のデータの方は、今は銀杏を食べるのは控えておくのが無難。
ただでさえビタミンB6欠乏がひどいので、足すことを意識することはあっても、それを阻害するものはなるべく避けておきたいものです。
(個人的には、茶碗蒸しに入っているのを1個食べる程度であれば気にしなくても良いように思いますが・・・それぞれの方のご判断にお任せします。)
また、ビタミンB6が足りている元気な方も、美味しいからと言って銀杏の鶏肉炒めや炒り銀杏をたくさん食べるのはご注意あれ。美味しくいただける範囲で、少量を召し上がってくださいね。
副腎疲労の方へ
余談ですが、副腎疲労の方はほぼ必ずと言って良いほど、ビタミンB6不足が起きています。
副腎疲労ってなぁに?という方は、こちらから👇
ここでは詳しく述べませんが、副腎疲労がある方も銀杏を食べるのは止めておくのがベター。
副腎疲労のケアは、まずここから👇
元気になって、何でも食べられる体を目指しましょうね。
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