こんにちは。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日は甲状腺機能低下症についてのお話をしてみたいと思います。
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(※こちらは、大好きな沖縄のハレクラニホテルのインフィニティプールです。沖縄にいると甲状腺機能低下症が和らぐという方も多いそう。)
甲状腺機能低下症の症状
甲状腺の病気と言えば、橋本病やバゼドウ病が有名ですが、これらの病気とは診断されない軽度〜中度の低下症や潜在性甲状腺機能低下症も実は存在します。まずは早速、症状から見ていきましょう。
こんな症状はありませんか?
- 疲れやすい・疲労感
- 倦怠感
- 寒がり(低体温・冷え)
- 体重の増加(運動しても痩せない)
- 眉毛の外側が抜ける・薄毛
- 丸顔・むくみ
- 無気力
- 記憶減退
- 徐脈
- 不妊・流産
- 生理不順
- 甲状腺の腫れ・肥大
- 指先の痺れ
- うつ
これらは、オーソモレキュラーのクリニックの問診でも使われる、甲状腺機能低下症の代表的な症状です。
お気付きの方もいらっしゃるでしょうか。副腎疲労や鉄欠乏性貧血、低血糖症などの症状にもよく似ています。そのことから、甲状腺機能低下症は見逃されやすい病気であり、副腎疲労や低血糖症などと併発しやすいとも言えるのです。私の知る限りでも、副腎疲労があると、程度の差はあれど甲状腺機能低下症もあることが多いです。
これらは日本人の20%にも及ぶと言われており、特に女性に多く、年齢が上がるほど増えるのも特徴です。
甲状腺機能低下症の診断方法
それでは、どうやって診断したら良いのでしょうか?
- 症状
- 基礎体温
- 血液検査
この3つです。順番に説明してみます。
症状
症状から判断するのが一番わかりやすいのですが、軽度の場合、ほとんど症状として表れないケースもあります。驚くことに60%の人は自覚症状がなく、逆に言えば、症状があるならば甲状腺機能低下症がある可能性が高いとも言えます。まだ血液検査がなかった時代は問診や顔相が全てでしたが、これがかなり高い精度だったようです。つまりそれだけ症状は重要ということ。
具体的な症状は上で挙げた通りですが、特徴的なむくみやムーンフェイス、眉尻が薄くなることなどが当てはまったら要注意。
基礎体温
見逃してはいけないのが基礎体温。女性の方は測る習慣がある方も多いでしょうか。
基礎体温とは、動いていない安静状態のときの体温のことで、寝ている状態の体温のことを指しています。通常、病院などで脇の下に体温計を挟んで測るのとは違って、起床後ベッドの中で横になったまま、舌下で測るのが一般的です。
さて、この基礎体温が甲状腺の目安となっているのですが、その数字が36.4℃です。基礎体温が36.4℃以下の場合には、甲状腺の機能が低下していると考えられます。
血液検査
一番確実なのは血液検査です。通常の健康診断では測らない項目なので、普通の方が目にする機会はほとんどないかもしれません。不妊治療をされたことのある方はほぼ測っていると思います。
一般の病院でもオーソモレキュラーの病院でも、甲状腺を見るときの数値はこの3項目です。
- T3
- T4
- TSH
T3とT4が甲状腺ホルモンで、甲状腺から分泌されるもの。TSHは甲状腺刺激ホルモンで、脳下垂体から分泌されています。よく例えられるのが、TSH(部長)⇒T4(課長)⇒T3(平社員)で、T3が働かないとT4が頑張り、T4が頑張らないとTSHが頑張る仕組みになっています。
ところが一般の病院では、この数値を測ったところでなかなか異常が見つかりません。その理由は、次の甲状腺の基準値のカラクリの項目でご説明したいと思います。
甲状腺の基準値のカラクリ
さて、一般の病院ではなかなか異常が見つからないその理由は、基準値がとても広く取られているから。基準値が緩いので、取り返しのつかないほどの重度にならないと甲状腺機能低下症とは判断してもらえず、いくら症状を訴えても「異常なし」で終わらせられるケースも多いのです。
では、どのぐらい差があるかというと、こんな感じ。
一般の基準値 | 分子栄養学での基準値 | |
T3 | 2.2〜4.3 | 3〜4 |
T4 | 0.8〜1.9 | 1〜1.5 |
TSH | 0.3〜5.0 | 1.0 |
TSHに至っては、0.3から5.0と、かなり幅広いことがわかるでしょうか。TSHが2.0を超えると倦怠感が強く、体がしんどくなる(不定愁訴)と言われているのに、5.0を超えないと何も治療してもらえないのは手落ちと言わざるを得ません。
もし甲状腺外来などを受診して検査する機会があれば、ドクターの「基準値内ですね」をアテにすることなく、自分でデータをチェックしてみましょう。一般の基準値内であっても、分子栄養学での基準値から外れている場合には、甲状腺のケアを始めることを強くおすすめします。
甲状腺のケアについては、長くなるので次回掲載予定です。
健康診断の結果からもわかる!甲状腺機能低下症
甲状腺の値(T3・T4・TSH)がわからないとき、症状と基礎体温が目安になることはお伝えしましたが、一般の健康診断での血液検査でも甲状腺の指標となる項目があるのです。
それはどの項目でしょうか?答えはこの3つの項目です。
- 中性脂肪
- LDLコレステロール
- ALP
いずれも、分子栄養学での理想値は以下の通りです。
一般の健康診断での基準値 | 分子栄養学での理想値 | |
中性脂肪 | 30~149 | 100 |
LDLコレステロール | 60~119 | 100 |
ALP | 50~350 | 180 |
甲状腺の機能が下がるとこれらの数値も変動します。特に中性脂肪が顕著で、甲状腺の働きとリンクしており、甲状腺機能が低下すると大きく下がるケースが多いのです。
一般の健康診断では、中性脂肪やコレステロールが低いことは良いこととされていますが、分子栄養学ではむしろ逆。エネルギーが作れず、疲れやすいということが読み取れます。低中性脂肪の場合は、甲状腺機能にも注意してみましょう。
これは余談ですが、分子栄養カウンセラーであっても、甲状腺機能を見落とすケースがかなり多く、特に甲状腺の数値を測っていないクライアントの場合、症状から副腎疲労と低血糖、鉄欠乏で済ませてしまうことも多いです。
分子栄養学が広まること自体は非常に喜ばしいことなのですが、中途半端な知識でカウンセリングを行っている方も多いのが実情。特に、通信教育で数年前に一度学ばれただけの方なんかは要注意。というのもこの分野は日進月歩で、3ヶ月前の常識が今日の非常識になっていることも多いから。だからこそ、最新の臨床に触れて、日々学び続けることが大事なのです。
例えば、鉄の数値を見て、鉄欠乏貧血だからと鉄サプリメントを薦めてしまうようではNG。鉄サプリメントは、体内に炎症があるときには服用を中止するのが望ましいし、腸内環境が整っていないと吸収できないからです。
分子栄養カウンセラーを探される場合には、正しい情報発信をしていて、常に知識をアップデートをされている方を選ぶようにしてくださいね。
甲状腺ホルモンの働き
最後に、甲状腺ホルモンの働きについて、簡単にまとめておきたいと思います。
✔️ 新陳代謝
✔️ 骨の形成
✔️ エネルギー産生
✔️ 体温調節
✔️ 生殖維持(生理周期)
✔️ 心臓の活性化(心拍数)
✔️ 胃腸の活性化
✔️ 交感神経の調節(脈や呼吸)
✔️ 脳の活性化(記憶力)
✔️ 筋力維持(体重)
甲状腺の機能が低下すると、これらの機能も落ちると考えられます。
最初に出てきた症状は、これらの機能が低下していることで起こっているものばかりです。唯一、骨の形成に関しては、意外なところでしょうか。甲状腺ホルモンは骨芽細胞にも働きかけるので、甲状腺機能が低下すると骨がもろくなったりもするのです。
次回は、甲状腺機能低下症の原因や対策(ケア方法)についてお話する予定です。
あなたに合わせた甲状腺機能低下症対策については、個別カウンセリングを行っております。こちらのページよりお問い合わせくださいね。
それでは、また。