分子栄養カウンセラーが指南!食用油の選び方

      2020/11/05

おはようございます。分子栄養カウンセラーのmanaです。
今日は、食用油の選び方についてお伝えします。

油については非常に奥が深いので、詳しく説明すると脂質の構造からミトコンドリアや細胞膜、脂肪酸組成のお話になってしまうので、今回は簡潔に油の選び方のみにフォーカスします。

続編は以下のリンクからご覧くださいね。

食べたら危険!トランス脂肪酸とパーム油

今日から出来る!油の摂り方 〜6つの実践テクニック〜

 

 

油の種類

まず、油の種類は大きく分けて2つです。

  • 飽和脂肪酸
  • 不飽和脂肪酸

水素で満たされているのが飽和脂肪酸、満たされていないのが不飽和脂肪酸と捉えてください。

 

具体的にどんなものがそれぞれ該当するかと言えば、こんな感じ。

飽和脂肪酸 中鎖脂肪酸 ココナッツオイル、MCTオイル
長鎖脂肪酸 バター、ギー、ラード、ヘット(牛脂)、鶏油
不飽和脂肪酸 ω-9 オリーブオイル、菜種油、米油、アボカドオイル
ω-6 大豆油、コーン油、グレープシードオイル、胡麻油
ω-3 亜麻仁油、魚油、荏胡麻油、紫蘇油

この表の中で、上に行けば行くほど分子構造が安定するという特徴があります。
安定とは、熱や光に強いということ。つまり、加熱に最も向くのは飽和脂肪酸ということになります。

 

絶対避けるべき油の種類

こんな風に言われたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

✖️ 動物性の油(飽和脂肪酸)の摂りすぎは良くない
✖️ バターは体に悪いからマーガリンが良い
✖️ 固形の油(飽和脂肪酸)は血液をドロドロにする
✖️ エコナのようなサラダ油が健康に良い

結論から言うと、これらは全て間違いです。そして、正解は全てその逆。

⭕️ 植物性の油の摂りすぎは良くない
⭕️ マーガリンは体に悪いからバターが良い
⭕️ 固形の油(飽和脂肪酸)は血液をドロドロにしない
⭕️ エコナのようなサラダ油は健康に悪い

これらの根拠がわからない方は、これから一緒にお勉強していきましょう。
このブログでも、これらの理解に役立つ知識をどんどん共有していきたいと思います。

 

具体的に避けるべき油の種類

  • トランス脂肪酸

具体的には、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングです。
例えば、パンやクッキー、焼き菓子、お菓子全般などに使われています。日本では規制がないのでとにかくいろいろなものに入っており、加工品を買っている限りは避けるのがかなり難しいのが現状。

  • パーム油

例えば、インスタントラーメンやお惣菜、ファーストフード、お菓子やアイスクリームなどに使われています。
近年トランス脂肪酸の置き換えに使われていることが多く、原材料名に植物油脂と表記されるので、判別が難しく注意が必要。

 

おすすめの油の種類

それでは、どんな油を使うべきかについてです。
加熱する場合と生食の場合で選ぶ種類が変わってくることに注目してください。

 

加熱用

加熱には、安定した構造を持つ油を使うのが鉄則です。

  • バターまたはギー
  • ラード
  • ヘット(牛脂)
  • オリーブオイル

*菜種油や米油も良いのですが、特に米油に関しては未解明のところが多いので、ω-9での私のおすすめはオリーブオイルです。
*動物性脂質にもトランス脂肪酸は含まれますが、水素添加処理によるものではないので、人工的に作られたトランス脂肪酸とは作用が異なります。
*鶏油も良いのですが、鶏油は自分で作る以外に手に入りにくいのが難点。
*ヘットは、スーパーのお肉売り場で無料で配っているものは植物油脂が添加されていることもあるので、本物のお肉の脂を使いましょう。

 

生食用

体内で生成できない油を摂るイメージで、その比率に注意します。

  • 亜麻仁油
  • 荏胡麻油
  • 胡麻油

*亜麻仁油や荏胡麻油などのω-3の油と、胡麻油などのω-6の油は、同量ぐらいの比率で摂るのが望ましいです。現代人は、炎症を起こすω-6の油が多くなりがちなので、意識的に炎症を抑えるω-3の油を摂るように心がけるのがポイント。(炎症を起こすことが悪いことなのではなく、そのバランスの問題です。炎症は生命体に必要な作用です。)
*ここでは食用油の話なので魚油は含めませんが、お魚を食べるというのはその比率の改善に効果的な方法だと考えられます。
*胡麻油は加熱にも耐え得ると言われていますが、できれば加熱せずにいただくのが望ましいです。炒め物などは、最後の香り付けに加えるようにすると良いですね。そして、使い過ぎには注意しましょう。
*亜麻仁油や荏胡麻油は、必ず生食でいただきます。酸化しやすいので、温かいお料理に使うのも私は避けています。

 

植物油選びのポイント

油の種類は上に挙げた通りですが、その中でどんなものを選ぶと良いかのポイントをお伝えします。

⭕️ 圧搾法(ヘキサン不使用)
⭕️ 遮光瓶
⭕️ 遺伝子組み換えなし
⭕️ 冷暗所に保管されていて回転が良いお店で
⭕️ 小さなサイズ
✖️ 抽出法
✖️ 透明のボトル
✖️ プラスチックボトル
✖️ 温度が上がるところで売られている
✖️ 人があまり来なくて古い商品が置いてあるお店

オリーブオイルや亜麻仁油など、それぞれにさらにこだわるポイントがありますが、それはまた別途ご紹介することにします。

 

最後に

余談ですが、せっかく良い油を選んだら、油の管理方法にも気をつけましょう。
まさかコンロの脇の温度が高くなるところに置いておく、なんてことは避けてくださいね。他の調味料やスパイス類も然りですよ。

亜麻仁油や荏胡麻油に関しては、冷蔵庫での保存が望ましいです。
そして、どの油にも言えることですが、開けたらなるべく早く使い切ることがポイントです。

 

それでは、また。

 

 

 

 - 分子栄養学と健康 , , ,

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。